
「あぁぁ、彼が私を魅力的だと思ってくれたら」「もし誰にでも好感の持たれる人物だったら、こんなに人間関係で苦労しないだろうに」「どうしたら誰とでも距離を縮められるんだろう」「結婚前に彼の本当の性格を知れたら良いのに」
ふだん生活するなかで、あなたはどのような人間関係の悩みを持っていますか。誰しもに裏表があるような気がして、誰の言葉も真っ直ぐには受け入れられなくなったりしていませんか。
この記事は、気になる異性と距離を縮めたり、職場でのコミュニケーションが円滑にいくようになったりするお手伝いができるでしょう。
今回まとめさせて頂くテクニックは、「FBI捜査官が教える「心を支配する方法」」という本の内容になります。
この記事が人間関係を円滑にしてくれる理由は、そのテクニックが実際の事件などで重宝されてきたという実績がある点です。
ときに人の命を懸けて駆使されたテクニックの信憑性は、言わずもがなです。
この記事がおすすめの人

この記事は以下のような方におすすめです。
- 振り向かせたい異性のいるひと
- 会社内で円滑なコミュニケーションを取りたいひと
- 思春期の子を持っているひと
- 婚約しているが結婚に踏み切れないでいるひと
気になる彼のいるBさん。友達につつかれて、焦ってアプローチをした結果、避けられてしまったり。
思春期の子のいるCさん。なにか悩んでいる様子の子供に、なにかあったのかと聞くも、乱雑にあしらわれて途方にくれていたり。
婚約しているDさん。実父に浮気癖があったので、そういう男は嫌だと思っているが、実際彼がそういう傾向を持っているか知りたい。
今回メインテーマにしているのは「恋愛」ですが、相手にそうと気づかせずに、思い通りの答えをさせたり、本音を引き出したりする技術をこの本は教えてくれます。
読み終わる頃には、きっと人間関係に対してすこし気持ちが軽くなっていることでしょう。
「元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法」のあらすじ

今回参考にする「元FBI捜査官が教える「心を支配する」方法」は、実際タイトルにもあるように、元FBIの捜査官だった著者が、実際の経験をもとに書いた心理エッセイです。
心理学を説いたエッセイは数多く出版されていますが、それらとの1番の違いは、ここに「ひとの命」が懸かっていることです。FBI捜査官の著者は、ひとの命が懸かった場面を、この心理テクニックを用いてやり抜いてきました。
真実を言えば一生刑務所に入れられてしまうという犯罪者でさえ、気がつけば自分から話したくてたまらなくなっている。そんなふうに人をコントロールするテクニックが、この本には詰まっています。
あるときは、銀行強盗を働いたひとを。またあるときは、児童誘拐犯を働いたひとを。
決して話すまいと決め込んでいる犯罪者たちが、どうして真実を語る気になったのか。その経緯がこの本には心理テクニックと共に載っています。
これを読めば、窮屈な電車の中でも、小うるさいファミレスの中でも、思わず人間観察をしたくなること請け合いです。
今回はこの本のなかから、幾つかの心理テクニックをご紹介致します。
人と距離を縮める3要素

この本には、以下の3要素が好感度に繋がると記されています。
- 近接
- 頻度
- 強度
当然、これに加えて清潔感や感じの良さは必要になってきますが、最低限の人当たりを備えた上で肝心なのはこの3要素です。
詳しく見ていきましょう。
まず「近接」、これは相手との距離感です。距離感と言っても心の距離か、物理的な距離なのかという所ですが、これは物理的な距離のことを言います。
続いて「頻度」は、そのままです。
本書では、この「近接」と「頻度」を用いて、敵国の重要人物をアメリカのスパイへと寝返らせたり、マンネリ化している夫婦の仲を温めたりした方法が記されています。
最後に「強度」とは、言葉や仕草などで相手の望み叶える程度のことを言います。
例えば、あなたはとあるカフェの常連で、決まった席で本を読むのが好きだったとします。するとある時から、いつも斜め右方向の決まった席に、ひとりの異性がやってくるようになりました。よく見かけるので、意識するようになると、たまに目があって微笑みかけてきます。しかしその異性は声をかけてくるわけではありません。
次第にあなたの中では、相手への好奇心が高まります。この高まりを「強度」と言い、そのうち相手が「こんにちは、今日はなんの本を読んでいるのですか」と声をかけてきた時、ようやく声をかけてくれた!と気持ちが満たされます。
その満足感の度合いこそ「強度」です。
もし、この三要素を満たせない場合どうしたら良いのか。本書にはその対処法も記されています。
この三要素すべてを満たせない場合には、そのどれか2つを高めれば良いのです。例えば、合コンで知り合った彼が気になっているけれど、違う会社でなかなか会えない=「近接」が満たせない。
そんな場合には「頻度」と「強度」を高めることで彼との距離を近づけられます。
もし彼が違う会社な上、連絡不精だった場合には、「強度」に注目しましょう。「強度」とは相手を満たすことです。相手との共通点を探して会話をしてみることで、彼との距離は縮まります。
人に好かれるたった2つのコツ

当たり障りのない、感じの良い人になれば、世の中きっとすべてうまく行くんだろうなぁ。と、そう思っている方は多いはずです。
そうは言っても、感じの良さなんて天性のものだよなぁ。
と、そう思っている方も多いことでしょう。
しかし実際にはたった2つのコツを意識することで、ぐるりと世界は変わります。その2つのコツというのは
- 眉をさっと上げて目を見開く
- 頭を傾げる
これを自然に行うことのできる人は相手に警戒心を抱かせません。
感じの良い人を観察していると、「元気ですか」と挨拶をしながら眉をさっと上げて目を見開いているのではないでしょうか。
頭を傾げる行為というのは、頸動脈を相手に見せるという格好になります。頸動脈は酸素を含む血液を運ぶ経路であり、そのどちらかが切断されると数分のうちに死が訪れます。そのため、そのどちらかを見せるということは「私は脅威ではありませんよ」というアピールになるのです。
ただし、会議など、自分の意見を通したい場所では、首をまっすぐに立てていたほうが威厳は出るため、そこは上手に使い分けましょう。
相手を気持ちよくさせる話し方

人付き合いをする中で、もっと相手と仲良くなりたいと思った時「相手を気持ちよくさせる話し方」って気になりますよね。相手を気持ちよくさせるには、よほどのテクニックが必要なのでは、と思っていたのですが、幾つかのフレーズを使うだけで人は案外あっさりと気持ちよくなってしまうものです。
- 「なんだか〇〇のようですね」
- 自分を褒める機会を与える
- 相手を名前(ファストネーム)で呼ぶ
- ちょっとした頼みごとをする
「なんだか〇〇のようですね」
相手の表情を観察して、言葉をかけます。例えば、
・疲れているようですね
・良いことがあったようですね
・楽しそうですね
・悲しいことがあったようですね
・忙しそうですね
などです。著者はこのフレーズを使って、飛行機での移動の際エコノミークラスからビジネスクラスに無償でアップグレードしてもらったり、空いていないはずの席に乗せてもらったりしたエピソードがあるそうで、まさに魔法のフレーズです。
自分を褒める機会を与える
直接褒めると場合によってはお世辞くさくなってしまいますよね。そうすると本音だったとしても、相手の受け取り方によっては敬遠されるきっかけになってしまったりして残念です。そこで、直接は褒めず、相手が自分自身を褒めるという機会を与えることで相手を気持ちよくします。
例えば、本書にはこのようなシチュエーションがありました。
(あらすじ:ベンとヴィッキーは、バーにおり、初対面です。声をかけてみると、ヴィッキーは久しぶりに遊びにきているそう。久しぶりということから、ベンが次のように話を広げます)
ベン「じゃあずっと忙しくて大変だったんだ」
ヴィッキー「そうなの。大きなプロジェクトがあって、ここ3週間、週に60時間も働いたわ」
ベン「それだけ大きなプロジェクトを成功させるためには、強い意志を持って、集中して頑張り抜かなくちゃならないだろうね」(褒める機会を与える)
ヴィッキー「そうね。この一大プロジェクトのために色々と我慢したわ。その甲斐あって自分で言うのもなんだけど、いい仕事ができたはずよ」
ここでベンはヴィッキーが「強い意志のある女性」であるということを、自分で直接は褒めていません。それでもヴィッキーは褒める機会をくれたベンを快く思うのです。
相手を名前(ファストネーム)で呼ぶ
これに関しては単純明快で、ひとは名前を呼ばれることが好きだし、名前を覚えていてくれたということで相手に対して好感が湧きます。
振り返ってみると、知り合ってすぐに誰とでも親しくなれる人は、ひとを名前で読んでいるのではないでしょうか。私自身振り返ってみると、コミュニケーション能力が高いと感じるひとは大抵会ってすぐに相手の「下の名前」を知りたがりました。
そのため、親しくなりたいひとのことは名前で呼ぶと良いでしょう。
ちょっとした頼みごとをする
100ドル札に顔の載っているベンジャミン・フランクリンの言葉に次のようなものがあります。
「あなたが同僚にちょっとした頼みごとをすれば、同僚は頼み事をされる前よりあなたに好感を持つでしょう」
この現象は「ベンジャミン・フランクリン効果」とも呼ばれています。
ここで肝心になってくるのはそれが「ちょっとした頼み事」であることです。
本書の中では、その方法が次のように表されています。
(場面は先程のバーカウンターで知り合ったばかりのベンとヴィッキー)
ベン「ヴィッキー、悪いんだけど、ちょっと洗面所へ行きたいんだ。このグラスが片付けられないように、見ていてくれる?」
ヴィッキー「いいわ、了解」
本当に頼み事とも感じられないような、「ちょっとした頼み事」が、相手の自尊心をくすぐるのです。
確かに私自身、このくらいささやかな頼み事でも、「信頼されているんだな」と感じますし、大勢の中で頼まれたなら「これだけ大勢いるのに私を頼ってくれるんだ」と嬉しくなります。
人に頼み事をするなんておこがましい・・・、と普段は感じてしまう方でも、このくさいささやかな頼み事ならしやすいですよね。
好きな人との距離を縮める方法

気になる人とだんだん友人としては親しくなってきて、そろそろ恋愛に関係を発展させたい時や、一目惚れの相手と関係を深めたい時に使えるテクニックを紹介致します。
- 共通点を見つける
- 一緒に運動をする
- スリルを共有する
- 簡単には手に入れさせない
共通点を見つける
人は自分と似ている人を好きになりやすく、また共通点があると話が続きやすいものです。
そうは言っても男性と女性では趣味や経験も違うだろう、と思われる方も多いでしょう。しかし、必ずしも自分自身の経験が相手とリンクしている必要はないのです。
例えば、気になっている彼が野球部で今も野球観戦が趣味な場合、身近に野球好きがいなかったかを想像します。そして自分の父親が野球観戦が好きだったことを思い出せたら、こう続けます。
「うちの父も野球観戦が好き」
するとそこから
「へぇ、どこのチームを応援しているの?」
「日ハム。あなたは?」
と会話が続きやすいのです。
もし、どうしても共通点が見つからないという方には「音楽」の話題がおすすめだと本には書いてあります。
一緒に運動をする
一緒に運動をすると好きな人と距離が縮まる・・・なんて聞いてもパッと来ませんよね。
しかしきちんと理由がありました。運動をすると脳内でエンドルフィンという神経伝達物質が分泌されます。このエンドルフィンというのは、分泌されると人は幸福を感じるのですが、ここで思い出してほしいのが次のような場面です。
くじ引きでほしかった商品が当たったり、ボーリングでストライクを連発できたり、カラオケで90点以上を取れたりした時など、なにか良いことがあった時。
タイミングが良かっただけで、その場に一緒にいた人のおかげで今自分は楽しいのだと思ってしまうことはないでしょうか。
こういう現象を「誤帰属」と言います。
一緒に運動をすることで幸せホルモンのエンドルフィンが分泌されますが、その仕組を知らない人は、自分が幸せな気分であることを一緒にいる相手のためだと思うのです。
その結果として、自分はこの人といると幸せだ、となり、恋が深まるというわけです。
スリルを共有する
先程お話した「誤帰属」は他のことにも応用可能です。そのひとつが、この「スリルを共有する」というもの。
一度は「吊り橋効果」というものを聞いたことのある方も多いでしょう。まさにそれですが、実際に「吊橋効果」は効果が実証されています。
また一緒に恐ろしい経験をすることで、絆は深まるという一例に、本の中に次のように一文がありました。
悲惨な経験をした兵士は、戦友と強い絆で結ばれる。
精神的につらい体験をした警官は、互いに心を通わせる。
その昔、アメリカの大学の社交クラブでは「新入りいじめ」が横行していた。このつらい試練に耐えた新入生たちはその後親友となり、なかには生涯続く友情を育んだ者もいた。
気になる人がいる方は、一緒に遊園地の絶叫アトラクションを体験したり、ホラー映画を見たりすることがおすすめです。
結婚前に相手の性質を知るワンフレーズ

例えば婚約を申し込まれて、勢いで「OK.」したものの、家に帰って冷静になると相手に対して不安要素が出てきたりする方もいますよね。
「結婚生活が長くなると浮気したりしないかしら」「今はまだないけれど、実はモラハラやDVの気があったりしないかしら」「いつか太ってしまっても私を愛してくれるのかしら」
結婚は一大決心です。一度の結婚には、幾人かの祝福してくれる友人や、家族からの期待ものしかかってきます。そうなると、結婚してから「しまった」と思うことがあってもなかなか簡単には別れられませんよね。
だからといって「ねぇあなたはもし私が太ったら浮気をする?」「私が太ったら家から追い出す?」などと身も蓋もない聞き方をしたところで、本音を引き出せるはずがありません。
そこで、本書では「第三者話法」という手段が紹介されています。
それを利用して、Aさんは夫に浮気の傾向があるかどうかを調べました。
Aさん「ねぇ友達のスーザンが、ご主人の浮気現場を押さえたんですって。あなたどう思う?」
夫-①「浮気はいけないことだ。僕なら絶対に浮気はしない」
夫-②「今どき浮気なんて珍しくないさ。奥さんが満たしてくれなかったら、男が浮気をするのは当然だろう?」
Aさんが求めているのは夫-①の答えですが、本音は②かもしれません。第三者話法を使った時に発された言葉こそ、その人の性質を表していると本書は記しています。
「元FBI捜査官が教える「心を支配する方法」」まとめ

ここまで長文にお付き合い頂き、ありがとうございます。
最後に今回の記事のまとめをば。
ー今回のまとめー
- 好感の方程式は〈近接+頻度+強度〉
- 好意シグナルを活用する
- 相手を気持ちよくさせて距離を縮める
- 共通点を見つけると会話は続きやすい
- 第三者話法で本音を引き出す
今回は恋愛をテーマにまとめをしましたが、今度は「仕事がうまくいくテクニック」編も書く予定なので、そちらはもうしばらくお待ちください。
今回紹介させて頂いた「元FBI捜査官が教える「心を支配する方法」」は、栗木さつきさん訳で、大和書房から出版されています。
初版が2015年なので、もしかするとあまり書店にない可能性があるので、リンクも貼っておきます。
ご時世柄書店へ出向くのが面倒という方や、今すぐ読みたいという方にはKindle版もありました。

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